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2015年10月24日 中央学術研究所 『女性と仏教』テーマに「善知識研究会」


セレニティホールでのパネルディスカッション。女性を取り巻く環境や教会のあり方などについて意見が交わされました

『女性と仏教――立正佼成会の信仰と女性の役割』をテーマに、立正佼成会の中央学術研究所による「第8回善知識研究会」が10月24、25の両日、セレニティホール、行学園で開催されました。同研究所講師、客員研究員、医療、教育、法曹など各界で活躍する会員約150人が参加。庭野日鑛会長、川端健之理事長、中村憲一郎総務局長が出席しました。

24日、『立正佼成会と女性』と題して、東京女子大学の大隅和雄名誉教授が基調講演を行いました。本会の教団史編さんに携わった経験から、専業主婦の多くの女性会員によって活発な布教活動が展開された昭和30年代までの状況を説明しました。この中で、女性は今よりも家事に追われていたものの、その合間を縫って、悩みを抱える近隣の人々に、生活に密着した語り口で教えを伝えていったと強調。女性会員は布教伝道を通して自らの能力に目覚めて自信を深めるとともに、「お導き」によって育まれた人間同士のつながりが教勢を伸ばしたと語りました。
一方、教団が大きくなるにつれ、教学を整備し、機能的な組織への改善が図られる中で、男性幹部によって教団が運営されるようになった変遷を解説しました。ただし、教会では従来通り、女性の献身的な働きによって布教伝道が展開されてきましたが、現代は女性を取り巻く環境が大きく変わったと指摘。女性の社会進出や生き方の多様化、経済の低迷といった社会状況の中、仕事を持ちながら子育てや介護に当たるなどその負担が増えていることを踏まえ、女性会員が喜びをもって信仰生活を送れる対策が必要と提言しました。
次にパネル発題が行われ、法政大学講師の小栗純子氏、明治学院大学教授の渡辺雅子氏が登壇。小栗氏は、基調発題で示された教団の状況や社会の現状に触れ、女性の特性に合った指導方法や、女性が生き生きと信仰できる環境づくりを課題に挙げました。渡辺氏は、教団や教会の運営に関わる男女や、年齢構成、就労の有無などの統計を提示し、専業主婦を想定した布教活動が難しくなっていると強調しました。
このあと、参加者は六つの分科会に分かれて討議。翌25日には全体会議が行われ、女性のニーズに対応した教会運営や活動のあり方などについて意見を交わしました。

(2015年10月29日記載)