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2015年10月29日 新宗連 「現代社会と信教の自由公開講座」 宗教と個人の尊厳について討議

新宗連(新日本宗教団体連合会)の第4回「現代社会と信教の自由公開講座」が10月29日、セレニティホールで開催されました。テーマは『憲法施行から68年――「個人の尊厳」と信教の自由』。約100人が参加し、立正佼成会から川端健之理事長、中央学術研究所学術研究室の藤田浩一郎室長らが出席しました。

同講座は、憲法が保障する「信教の自由」「政教分離」の原則をめぐって私たちが直面する諸課題について考えるものです。当日は、小林節・慶應義塾大学名誉教授が基調発題に立ちました。小林氏は、日本国憲法に「信教の自由」が定められた背景には、世界史上の一国の王を神ともあがめる「絶対王制」や国教主義の時代があったと指摘。封建時代に少数派宗教を信奉する人々が、権力者からの弾圧を受け、人間の尊厳が侵害されたことを説明しました。そうした史実を踏まえ、各人の人生の価値観の中心にあるものが宗教であるとし、「信教の自由」は「個人の尊厳」の源であると強調しました。
これを受け、藤丸智雄・浄土真宗総合研究所副所長、松本久史・國學院大學神道文化学部准教授、島薗進・上智大学グリーフケア研究所所長がパネル発題。藤丸氏は宗教や伝統文化の持つ普遍性について事例を交え紹介し、松本氏は神道の立場から近代以降の「信教の自由」の歴史を解説しました。また「自民党憲法改正草案」を主題に取り上げた島薗氏は、憲法が改正されることにより「個人の尊厳とともに、共同体や国家の活力を失わせかねない」と述べました。
このあと、新宗連信教の自由委員会委員長の本山一博師(玉光神社宮司)をコーディネーターに、宗教の多様性や日本の宗教の現状などについて発題者全員で意見を交換しました。

(2015年11月 5日記載)