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2015年11月28日 「一食宮城復興支援事業」報告交流会

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=沼田雄司教務局長)による「一食宮城復興支援事業 復興まちづくり協議会等事務局ステップアップ助成」の報告交流会が11月28日、仙台市のハーネル仙台で開催されました。同事業を共同運営する一般社団法人「みやぎ連携復興センター」はじめ、助成先各団体の代表者、識者ら53人が出席。同基金運営委からは、那須弘友紀事務局長(社会貢献グループ次長)が、本会からは安井利光石巻教会長が参加しました。

東日本大震災から4年、仮設住宅から復興公営住宅への移住という時期を迎えた同県では、被災地への支援が徐々に打ち切られ、コミュニティーづくりに取り組む各団体事務局の人材や資金の不足が問題視されていました。本会一食平和基金運営委は、事務局機能強化が復興に不可欠との観点から、各団体との連絡・調整にあたる「みやぎ連携復興センター」と協議し、同県内の被災地で活動する住民組織・NPO10団体に合計450万円を支援しました。この日は、今年5月から10月の助成期間に各団体が行った事業の報告会が行われました。
席上、那須事務局長、紅邑(べにむら)晶子同センター代表理事のあいさつに続き、各団体が事業を報告。中長期的なまちづくりビジョンの策定、先行団体事例の視察、広報媒体の作成に取り組んだ成果や課題などが発表されました。
この中で、NPO法人「わたりグリーンベルトプロジェクト」の片岡義隆代表理事は、津波によって流失した亘理(わたり)町の防潮林を20年かけて再生する取り組みを発表。樹種の選定、苗木の育成を行い、今年6月から数回、町内外のボランティアや協賛企業などの協力を得て植樹に取り組んだ様子を報告しました。「6000人のボランティアの協力で、2000本以上の植樹ができた。さらに広報活動を充実させ、専門家から効率的な植樹方法を学ぶなど、3万本の植樹達成に向けて頑張りたい」とコメントしました。
また、「筆甫(ひっぽ)地区振興連絡協議会」の吉澤武志事務局長は、震災時の東京電力福島第一原発事故の放射能被害による伊具郡丸森町同地区の人口減少を止めるため、地域の若手を巻き込んでのワークショップを通じた「地域づくり15年ビジョン」の策定について説明。事務局の高齢メンバーと若い世代が交流を深めながら、「まちづくり」に関する意見交換、盆踊りの練習、事例視察に取り組んだことを紹介し、「地域の未来を展望する上で重要な若手育成ができたことが、将来的な事務局機能の強化につながると考えています」と語りました。
このあと行われた交流会では、助成団体審査委員長の阿部重樹・東北学院大学経済学部共生社会経済学科教授が登壇。「一食を捧げる運動」を通じて人々の苦しみに寄り添おうという志の詰まった献金が各団体の事業推進を後押ししていると強調し、「各団体が被災地復興や地域の高齢化に取り組んだ成果は、今後の日本社会にとり有益な情報源となる」と述べました。
最後に、本会を代表して安井教会長があいさつ。浄財が有益に活用されていることに謝意を表した上で、「皆さんの報告を会員の励みとなるようお伝えし、精進してまいりたい」と結びました。

(2015年12月 3日記載)