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2016年01月14日 中央学術研究所 『ジナーランカーラ――詩脚索引・語彙索引』を発刊

中央学術研究所はこのほど、初期仏教や大乗仏教をはじめとするアジア圏の諸思想研究に資することを目的とした『Philosophica Asiatica(アジア哲学叢書)』の第2巻として、『Jinālaṅkāra(ジナーランカーラ)――詩脚索引・語彙(ごい)索引』を発刊しました。仙台高等専門学校の逢坂雄美名誉教授と笠松直准教授が編纂(へんさん)に携わりました。

同研究所はこれまで、初期仏教聖典や、ジャイナ教聖典および同文学、初期大乗仏教経典を中心とした語彙・詩脚索引を公刊。昨年は、同叢書の創刊号としてミャンマー南部タトン市の僧院が所蔵する南方仏教経典の文献目録を発刊しました。
同書は、12世紀ごろにスリランカの学僧・ブッダラッキタがブッダの生誕から涅槃(ねはん)までを250の詩節で歌い上げた仏伝詩文学で、東南アジアで広く伝承されてきました。逢坂氏と笠松氏は19世紀末にパーリ仏典研究者のJ・グレイ氏によって原文校訂、翻訳された書物の誤植を訂正した上で、詩脚・語彙索引を作成しました。同書は仏教教理や仏教思想の研究発展に向け、広範な活用が期待されます。

(2016年1月14日記載)