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2016年09月29日 教団付置研究所懇話会が年次大会 各宗教の平和への取り組み学ぶ

『日々の信仰生活の中の平和――戦後70年から未来へ』をメーンテーマに教団付置研究所懇話会の「第15回年次大会」が9月29日、佐賀・基山町にある中山身語正宗大本山瀧光徳寺の研修会館で開催された。16の研究機関から70人が参加。本会から中央学術研究所の川本貢市所長、眞田芳憲顧問、学林の庭野統弘学長らが出席した。

当日は、中山身語正宗の今泉観行宗務副総長、同宗教学研究所の河野乘慶所長があいさつ。金光教教学研究所の児山真生部長、曹洞宗総合研究センター専任研究員の宮地清彦氏、宗教情報センターの西浦恭弘所長が、各教団の平和への取り組みについて発表した。
この中で、『戦後復興期の金光教における「平和」とその文脈』と題して発表した児山氏は、「世界真の平和」の祈念を信仰生活の一つとしている金光教では、戦争を受けて日々の祈りと世界の現実との関係を見つめ直す機運が高まったことを紹介。平和を考えることが、各人の信心を問い直す契機になっていった経緯を、機関紙誌の記事を基に解説した。
宮地氏は『曹洞宗における非戦平和への取り組みについて――「愛語」の精神より』をテーマにスピーチに立った。道元禅師の説く「愛語」の精神に基づき、教えを歌にして学びを深める「梅花流詠讃歌」の取り組みを報告。音楽布教が檀信徒の交流を促し、平和の理念の共有に一翼を担っていると述べた。
『真如苑の平和の祈り』をテーマに発題した西浦氏は、あらゆるものが融和した状態が平和と考える真如苑の教義に触れ、生きとし生けるものすべてを救済したいという怨親平等の精神でさまざまな法要が行われていることを説明。その事例として海外での灯籠(とうろう)流しや護摩法要を紹介した。

(2016年10月 6日記載)