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2016年11月17日 本会一食平和基金 ハイチを襲った大型ハリケーン被害に緊急支援 


最も犠牲者が多かったハイチ南西部沿岸の都市ジェレミーでの食糧援助の様子(© WFP/Alexis Masciarelli)

本会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=根本昌廣宗教協力特任主席)はこのほど、10月4日にハイチを襲った大型ハリケーン「マシュー」の被害に対し、合計300万円の緊急支援を決定した。現地で救援活動を行う国連世界食糧計画(WFP)に200万円、NPO法人アムダ(AMDA)に100万円を寄託する。

同国南西部をはじめカリブ海域の国々や米国南部の東海岸沿いを通過したハリケーンは、各地で洪水や土砂崩れを引き起こし、建物の倒壊や断水、停電などの甚大な被害をもたらした。
被災地の中でも特に、貧困による厳しい食糧事情に加え、2010年に発生した大地震からの復興が進んでいないハイチは最も大きな打撃を受け、町全体が壊滅した地域もある。
ハイチ国内では約213万人が被災し、死者は700人を超える。また約3万棟の建物が被害を受け、17万人以上が避難するほか、140万人以上が食糧や水などの緊急支援を必要としている。
現地政府や国連機関の働きかけにより、海外のNGOなどから援助物資が同国に輸送されているが、寸断された道路の復旧には時間がかかるため、物資が十分に届いていない。加えて、洪水などで衛生環境が急速に悪化し、コレラなど感染症の爆発的流行も懸念される。
こうした状況を受け、WFPは、同国内の拠点に備蓄していた食糧を被災地域に空輸。これまで1万3000人以上に食糧を届けてきた。今後、栄養強化ビスケットを被災地から近い米国・マイアミの拠点に移送するなどして食糧支援を続けていく。
一方、AMDAは、医薬品や体温計など医療物資の緊急援助やコレラ感染者の治療、栄養補助食品の提供のほか、感染症の予防教育を実施。浄財は、両団体によるこれらの活動に役立てられる。

(2016年11月17日記載)