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2016年11月24日 本会一食平和基金「一食岩手・釜石復興支援事業」 復興担う6団体に助成


「栗林共栄会」が主催した「食の文化祭」での郷土料理試食会

東日本大震災の継続的な被災者支援のため、本会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=根本昌廣宗教協力特任主席)はこのほど、「一食岩手・釜石復興支援事業」として、被災地域で支援活動を展開する6団体に合計517万4592円を寄託した。岩手・釜石市の復興に向け、2013年から2回にわたり、非営利組織などを対象に合計977万円を助成してきた。復興支援事業は、「東日本大震災三県支援事業」として、福島県と宮城県でも実施されている。

東日本大震災から5年半が経過した岩手・釜石市では、仮設住宅から復興公営住宅への転居や自力での住宅再建が進み、仮設住宅の統合が本格化している。それに伴い、転居先での人間関係のトラブルや独居高齢者の孤立化、仮設団地の住民減少による自治会の機能低下などが懸念されている。
同基金運営委員会はこうした現状に鑑み、釜石市でのボランティア事業の連携や調整を担う同市社会福祉協議会と協働し、被災住民の生活安定と信頼関係の構築を目的に、地域の復興に尽力する団体のサポートを重視して助成先を検討。仮設住宅内の談話室で入居者に飲料や菓子を提供しながら傾聴を行うサロン活動、持続可能なコミュニティーづくりに向けたイベントの開催、被災住民同士による戸別訪問などを展開する6団体への助成を決定した。
助成先の一つ、「栗林共栄会」は、被災地域からの転居住民と地元住民との交流を柱にしたまちづくりを目指して、住民の手作りによる郷土料理の試食会や伝統芸能の披露、食と健康に関する講演会など多彩なイベントを開催。このほか、住民対象のアンケートを基にしたまちづくりビジョンの策定や、町内を流れる鵜住居(うのすまい)川の堤防沿いを地元ガイドの案内で散策するウォーキング大会の実施などを通じ、住民同士の絆を強めながら地域コミュニティーの構築に貢献してきた。
同会の遠野健一会長は、「この地域には、昔から住民同士が支え合う“結い”の精神が培われていたからこそ、震災の苦難にも皆で力を合わせ乗り越えてこられたのだと思います。今後も、郷里の魅力を発信しながら、地域の一人ひとりに心の安らぎを与えられる取り組みを通して、活気あふれるまちづくりを推進していきたい」と語った。

(2016年11月24日記載)