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2016年12月15日 新宗連 第2回「現代社会と政治問題講演会」

第2回「現代社会と政治問題講演会」(主催=新日本宗教団体連合会・政治委員会)が12月10日、東京・杉並区のセレニティホールで開催され、加盟教団から会員ら約170人が参集した。テーマは『新安保法と自衛隊の海外派遣—日本の平和と国際貢献』。東京新聞の半田滋論説兼編集委員、名古屋大学大学院の中村登志哉教授が講演した。

半田氏は、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に触れ、今年3月に施行された安全保障関連法に基づき、12月12日から陸上自衛隊に新たに付与される「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」の任務に言及。宿営地の共同防衛で他国の軍隊が攻撃を受けた場合、日本の自衛隊も武器を使用する可能性があることに懸念を示した。
また、不安定な南スーダン国内の情勢に触れた上で、「残留か撤退を検討すべき状況下で、日本政府が適切な判断を下せるかが気がかり」と指摘した。
続いて登壇した中村氏は、冷戦後に東西統一を果たしたドイツが現在まで行ってきた外交・安全保障政策を解説した。第二次世界大戦の経験から、国家として単独行動を回避する「多国間主義」や「不戦の原則」などを掲げる同国が、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の域外に派兵するため、同国基本法の解釈を変更することで国連や欧州連合(EU)などの国際活動に関与してきた歴史的経緯を紹介。しかし、アフガニスタンへの派兵で戦闘に巻き込まれ犠牲者が出たこと、多数の帰還兵士に精神的負担による心的外傷が発生したことから、国内世論が国際関与から内向きに変化している現状を説明した。

(2016年12月15日記載)