法華経のあらましと要点

随喜功徳品第十八

()(じゅう)(てん)(でん)

この(ほん)には、〈(しょ)(ずい)()〉の()(どく)をさらに(きょう)調(ちょう)し、くわしく()いてあります。なぜこのようにくりかえして()いてあるかといいますと、(おし)えに(ずい)()する、すなわち(こころ)から「ありがたい」とおもうその(かん)(げき)(かん)()こそが、(しん)(こう)にとって()くことのできない、(おお)きな(こん)(ぽん)(よう)()であるからです。
(しゃ)()さまはここで、「もしある(ひと)(ほう)()のなかで、この(おし)えを()いて、『ありがたい』という(よろこ)びを(かん)じ、ほかのだれかに、()(ぶん)(ちから)でできる(てい)()でいいから、いま()いたばかりの(はなし)をしてあげたとしましょう。それを()いた(ひと)もまた、おなじような(ずい)()(こころ)()こし、おなじようにほかの(ひと)(つた)えたとしましょう。こうして五十(かい)(てん)(てん)(つた)えられたとして、その五十(かい)()にこの(おし)えを()いた(ひと)が、『ありがたい』という(かん)(げき)をおぼえたとしたら、その()(どく)は、ある(おお)(がね)()ちが(いっ)(しょう)のあいだありとあらゆる()()(おこ)なったその()(どく)の、(なん)(おく)(ばい)もの()()があるのです。いわんや、(さい)(しょ)(ほう)()でこの(おし)えを()いた(ひと)()ける()(どく)となると、まことに()(りょう)()(へん)であります」とお()きになっておられます。
(さい)(しょ)(ひと)は、(しん)(こう)(てき)(ふん)()()をもつ(ほう)()のなかで、よく(ほう)(つう)じ、(せっ)(とく)(りょく)もある()(どう)(しゃ)(はなし)()いたのですから、おおいに(かん)(げき)し、(おお)きな()(どく)()けるのはもっともですが、それがつぎからつぎへと(てん)(てん)(つた)えられた五十(にん)()ともなれば、()(じゅつ)もなにも()きにした、(しん)(こう)(てき)(ふん)()()もない、(ほね)ばかりの(はなし)になりましょう。ところが()()(きょう)は、その(ほね)(ない)(よう))がかぎりなく()(だい)ですから、五十(にん)()にいたっても、(かん)(めい)をおぼえざるをえないのです。
それならば、その(かん)(めい)による()(どく)が、なぜ(いっ)(しょう)のあいだ()()をしつづけた(おお)(がね)()ちの()ける()(どく)よりも(だい)であるかといえば、(だい)一に、(しょう)(ぼう)()いておぼえる(しん)(よろこ)びは、なにものにも(くら)べることのできない(とうと)いものであるからであり、(だい)二に、その(よろこ)びはこれからさき(ひと)から(ひと)へと(てん)(かい)していく()(げん)のエネルギーをもっているからです。

(ほう)(えん)()(とうと)さ・それを(あた)える(とうと)

つぎに、(ずい)()までにはいたらなくても、(せっ)(ぽう)()でほんのちょっとのあいだこの()()(きょう)(おし)えを()いただけでも、その()(どく)はたいへん(おお)きく、ましてや、その(せっ)(ぽう)()であとからきた(ひと)に「さあ、ここにすわってお()きなさい」と()(せき)をゆずってあげるような(おこ)ないをした(ひと)()(どく)は、さらに(おお)きいものであることが()かれています。
これは、つまり(ほう)(えん)のたいせつさをいってあるのです。われわれはすべて(ぶっ)(しょう)をもっていることにまちがいはないのですが、(えん)あってその(ぶっ)(しょう)()()まさなければ、(すく)いにたっすることはできません。ですから、なによりもまず(おし)えに()れることが(せん)(けつ)(じょう)(けん)であり、したがって、(おし)えに()れる(えん)というものはじつに(とうと)い、たいせつなものであります。いわんや、()(にん)にその(えん)をあたえるとなると、さらに(とうと)(こう)()といわなければなりません。
(よう)するに、この(ほん)は、(おし)えを()いて(こころ)から(かん)(げき)をおぼえる()(なお)(こころ)、また(かん)(げき)をおぼえたらそれをひとに()けあたえずにはおられなくなる(じゅん)(しん)()(もち)……これが(しん)(こう)(しゃ)にとってもっともたいせつであることが(おし)えられているわけです。

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